電験3種電力科目の試験概要と講師からのアドバイス

電験3種の試験は「一次試験のみの試験」です。一次試験は4科目で構成され、4科目合格すると、電験3種合格となります。

電気工事士のように実技試験、電験2種のように二次試験がないのが特徴です。

4科目のうちの1科目に「電力科目」があります。

電力科目の試験概要

電力科目の試験概要として「問題数」「配点」「試験形式」「出題範囲」を整理しました。

※問題数、配点、試験形式を把握することは、効果的な試験対策を講ずるために必要不可欠です。

電力科目の試験問題数

電験3種電力科目は

「A問題14問」と「B問題3問」

で構成されます。

電力科目の配点

A問題は1問5点、B問題は1問10点。

満点は100点、合格点は60点。

※試験が難しい年度は合格点が下がることもあります。

電力科目の試験時間

電力科目の試験時間は「90分」です。

電力科目の出題範囲

水力、火力、原子力、その他発電、変電、送電、配電、電気材料、計算です。計算のカテゴリーには線路電流計算や電力計算、電線計算(実長、たるみ、支線)が含まれています。

講師が伝えたいポイント

 電力科目の配点の5割~6割を占めるのが「変電、送電、配電」です。この3つの分野の習得度が合否に大きくします。また、電力科目のB問題に選択問題がないのが特徴で、理論科目と機械科目との決定的な違いとなります。

 試験形式マークシートの5択問題)、配点(A問題70点、B問題30点)は理論科目、電力科目、機械科目の共通事項です。(A問題の基本問題で確実に点を稼ぎ、B問題でもできる限り点を取る。バランスが重要です。

 試験時間に関しては、電力科目は文章問題が多いため、余裕があります。

講師が伝えたいポイント(追記)

電力科目の計算問題について、細かく分解しておくと、取れる点数が飛躍的に向上することが分かっています。

<計算カテゴリーに含まれるもの>
%Z
変圧器の負荷分担
三相短絡電流
電力と電力損失
線路の電圧降下
充電電流
配電線路計算(バランサ無、有、ループ線路)
電線計算(たるみ、実長、支線)

<それ以外>
水力(出力、速度調定率、ベルヌーイ、効率)
火力(各種効率、復水器放出熱量、燃料焼却)
原子力核分裂エネルギー)
配電(配線方式ごとの損失比較)
変電(力率計算)

どこに注力すべきか、どの練習問題、過去問題を紐づけていくか。ここは講師や講座の力量が反映される重要な所だと思います。桜庭塾ではここの研究をし続けていて、各人の力を伸ばすことに力を入れています。

(参考)試験日

例年、9月第1日曜日

(参考)科目合格制度

電験3種の結果は科目ごとに合否が出ます。4科目すべて合格する必要があります。一部の科目だけ合格した場合、科目合格となります。

科目合格は翌年度と翌々年度の試験まで試験免除の効果があります。科目合格すれば、2回の試験を免除できると覚えておくと良いでしょう。

※試験申し込み時に科目合格申請が必要となるので注意しましょう。今は、インターネットでの申し込みをしようとすると、必ず確認が入るのでほぼ間違うことはないでしょう。